訳あり物件・事故物件はどうするべき?
訳あり物件・事故物件はどうするべき?
訳あり物件や事故物件と聞くと悪いイメージがあるかもしれません。確かに訳あり物件や事故物件は活用の仕方によってはプラスどころかマイナスになってしまうこともあります。今回は、訳あり物件や事故物件を少しでもプラスに活用するための方法についてお話しします。
訳あり物件・事故物件とは
訳あり物件と事故物件は、イメージは似ていますが意味は異なります。
訳あり物件とは、物件自体が壊れていて大掛かりな修理が必要であったり、法律的な問題(既存不適格物件など)を抱えていたりする物件、周辺環境に問題があり一般的な物件と同じ価格では売買が難しい物件も含みます。
一方の事故物件は、以前住んでいた人がなんらかの事故や事件でこの世を去った「現場」となった物件です。事故物件は、訳あり物件の一種とも考えられます。
訳あり物件・事故物件はどうするべきか
訳あり物件と事故物件とでは、対処方法が異なります。訳あり物件の中でも周辺環境に問題がある場合は、さほど売買の問題にはなりません。例えば、隣が墓地ならば墓地の隣に住むことに抵抗がない買い手を探します。
また、線路や大きな道路に近い物件は「騒音あり」の訳あり物件とされる可能性がありますが、音の感じ方は個人差が大きいため、墓地と同様に「気にならない買い手」を探すことになります。
周辺環境による訳あり物件は、運よく「気にならない買い手」がみつかればいいのですが、買い手がみつかるまでに時間がかかるようであれば、物件の値下げをして買い手を待つことになります。
また、既存不適格物件のような法律的な問題を抱えた訳あり物件は、市場価格より安い価格設定をすることが多いでしょう。
一方、事故物件はそのままの状態で売却したり賃貸に出したりすることは難しいです。
物理的なダメージがなかったとしても、心理的な問題(心理的瑕疵)があります。そのため、事故物件は事故の形跡が残らないようにしてから売却したり賃貸に出したりすることになります。
訳あり物件・事故物件でやってはいけないこと
訳あり物件と事故物件の売却や賃貸でやってはいけないことがあります。中でも一番やってはいけないことは、「事故物件であることを隠して売却すること」です。
事故物件の中には、見た目には問題がない物件もたくさんあります。しかし事故物件には「告知義務」があります。告知義務は、宅地建物取引業法第47条「重要事項の不告知・不実告知の禁止」にしっかりと定められています。
違反した場合には、契約の解除だけでなく告知義務違反として損害賠償を求められた判例(大阪高裁平成26年9月18日判決)もあり注意が必要です。
国土交通省は2021年5月に新しいガイドライン「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いについて」を発表しました。
今までは告知義務の基準が曖昧でしたが、新しいガイドラインにより告知すべき期間や場所が明らかになりました。
<新しい事故物件の告知義務とは>
今までは、事故の発生からいつまで告知義務があるのかが曖昧でしたが、新しいガイドラインにより賃貸の場合は3年間と期限が定められました。
ただし、売却するときには告知の期限はなく、事故の発生から何年たっても告知する必要があります。
また、高齢化が進み自宅で事故にあったり、自然なかたちでこの世を去ったりする人も増えています。
新しいガイドラインでは日常生活で想定される内容であれば告知義務は発生しないとされました。ただし、発見までに時間がかかり特殊な清掃を行った場合などは事故物件となり告知義務が発生します。
訳あり物件・事故物件の活用方法
訳あり物件や事故物件は、一般的な物件よりも価格を下げて売却することになります。周辺環境に問題がある訳あり物件は、売り手の努力ではどうにもならないことがほとんどです。
さらに事故物件は、形跡が残らないようにして売却や賃貸に出すことになるでしょう。例えば、キッチンの火事により事故物件となった場合は、以前のキッチンや場所がイメージできないような大胆なリフォームが求められ、莫大なリフォーム費用が必要になります。
それでもイメージや評判を完全に払拭することは難しく高値で売却することは難しいかもしれません。更地にして売却する方法もありますが、更地にするにしても費用がかかります。
訳あり物件や事故物件は、費用をかけて手を加えても目に見えないイメージや噂が長く尾を引いてしまう傾向があります。
少しでもプラスに活用するためには、細かな手を加える前に専門業者に売却したほうがいいのではないでしょうか。
おわりに
訳あり物件や事故物件は、専門業者に売却を依頼しても市場相場よりもうんと安く買いたたかれることがほとんどです。
エルミタ不動産は、訳あり物件や事故物件であっても物件の価値を引き出します。
大切な物件をぜひ当社にお任せください。経験豊富なスタッフが「売却してよかった」と思えるプランを提案させていただきます。