人間関係が要! 袋地物件と囲繞地物件の活用方法
人間関係が要! 袋地物件と囲繞地物件の活用方法
物件を売却しようと思ったら「売りにくい物件だった」ということがあります。中でも古い物件の中には袋地物件や囲繞地物件という「売れにくい物件」が多くあるのです。
今回は、袋地物件や囲繞地物件の活用方法についてわかりやすく解説します。
袋地物件とは
袋地物件とは、建築基準法の道路に接していない土地に建っている物件です。お隣の脇道を通って道路に出ることができたとしても、土地自体が公道に接していなければ袋地物件であり再建築不可物件になっている可能性が高いでしょう。
袋地物件は、相続によって大きな土地を分割したときに発生する可能性があります。例え相続した土地の面積が同じであっても、袋地物件は市場価値がとても低く、売却が難しくなります。
町の開発により周辺環境が変わったりして、気がついたら袋地物件になっていたということもあります。古い物件は、売却前に現在の状況を調べてみることが大切です。
囲繞地物件とは
囲繞地物件とは、袋地物件を囲んでいる物件です。袋地物件とは異なり、道路に接していることが多いため再建築不可物件である可能性は低いでしょう。
囲繞地物件の大きな問題は「囲繞地通行権」です。
囲繞地物件は、道路と接していない袋地物件と隣接しています。袋地物件の住民は、囲繞地物件の一部を通行しなければ道路に出ることができないのです。そこで発生する権利が囲繞地通行権になります。
囲繞地通行権は、袋地物件所有者の権利（民法210条）であり、囲繞地物件所有者が「嫌だ」と言うことはできません。ただし通行料をもらうことはできます。
通行料の金額は、袋地物件の所有者と囲繞地物件の所有者の話し合いで決めます。
袋地物件と囲繞地物件は、とても結びつきがあり、人間関係が良好ならばいいのですが、悪くなってしまうと通行料の交渉や通行場所の決定が面倒なことになってしまう可能性もあります。
袋地物件や囲繞地物件が売れにくい理由
袋地物件や囲繞地物件は売却に出しても買い手がみつからなかったり、みつかったとしても安く買いたたかれてしまったりすることがあります。その一番の理由は囲繞地通行権です。
囲繞地通行権はすでに解説した通り「袋地物件の住民が道路に出るために囲繞地の一部を通行する権利」です。囲繞地通行権のトラブルはとても多くあります。
囲繞地物件の所有者は、袋地物件の所有者と話し合い通行場所を決めます。しかし、袋地物件の住民の生活スタイルが変わり、通行場所や通行する道の幅の変更を求めてくることがあるのです。
囲繞地通行権は「囲繞地物件所有者の損害を最低限に抑えること」となっています。
しかし現実は、袋地物件所有者の事情を考慮して通行場所や道幅変更した判例があります。つまり、袋地物件や囲繞地物件は自分の物件でありながらもお互いのことを強く意識する生活が続くのです。
そのため、袋地物件や囲繞地物件はなかなか買い手がみつからない「売却が難しい物件」といわれています。
袋地物件や囲繞地物件の活用方法
袋地物件や囲繞地物件の市場価値を高める方法はいくつかあります。
市場価値が高まれば、売却もしやすくなります。ここからは、袋地物件や囲繞地物件の価値を高める活用方法を紹介します。
＜囲繞地物件の土地の一部を買い取る＞
袋地物件を売りやすくするためには、袋地物件ではなくするといいでしょう。囲繞地通行権で通行している通路を買い取ります。袋地物件は旗竿地物件となり、売却しやすくなるでしょう。
ただし、買い取った通路の幅が接道義務を果たしていない場合は、再建築不可の旗竿地物件となり市場価値はさほど高くならない可能性があります。
通路を買い取るときには、接道義務を果たせる道幅の土地を買い取ることがポイントです。
＜囲繞地物件の所有者に売却する＞
袋地物件は、公道と接していないため活用が難しくなっています。
囲繞地物件の所有者に売却すれば袋地物件ではなくなり、活用や売却がしやすくなるでしょう。ただし、袋地物件が生まれる背景には「広すぎて高すぎる土地を分けるため」という目的があった可能性があります。
そうなると、囲繞地物件の所有者に売却することで再び「広すぎて高い土地」に戻ってしまう可能性があります。
＜専門業者に買い取ってもらう＞
袋地物件や囲繞地物件は、物理的に売れにくい物件というだけでなく、人間関係のように目に見えない要素が絡んでいます。
例え囲繞地物件の所有者が袋地物件を購入することになっても「買ってあげる」「買ってもらう」という上下関係が生まれてしまい、安く買いたたかれる可能性も否定できません。
人間関係が要でありハードルでもある袋地物件や囲繞地物件は、第三者であり活用のノウハウを持っている専門業者に買い取りを依頼するといいでしょう。
おわりに
袋地物件や囲繞地物件の活用はとても難しいです。とくに袋地物件は一度更地にしてしまうと建物を建てることができず、さらに活用が難しくなります。
エルミタ不動産では、活用が難しいとされる袋地物件や囲繞地物件も取扱可能です。
物件一つ一つの特徴と価値を見いだし、満足いただける方法を提案いたします。
